クリームソーダのどこが好きなの?って聞かれても、はっきり答える自信はない。どちらかと言えば炭酸もあまり得意じゃない。それでもどこか、心惹かれるのがクリームソーダなのです。
大学に入学して、自分の行動範囲が広がってからはカメラ片手にカフェ巡りをしていた時期もありました。とはいえ、そこは新潟。車なしで行ける範囲というのは限られているもので、すぐに行き尽くしてしまいます。
そのあたりで家の近くのスタバに通うことを覚えだしました。みんなフラペチーノとか頼むから700円とかするけど、普通にコーヒー飲みに行くだけなら300円ちょっとじゃん。みんなの倍通えるじゃんって。
コーヒーが楽しめるようになってからは、世界が広がりました。喫茶店って見落としているだけで案外暮らしの中に存在するんですよね。
そこで出会ったのがクリームソーダってわけです。前置きが長い。
名古屋・今池にある「グランド喫茶 シヤチル」へ
「シヤチル」という店名に疑問すら感じたことがなかったのですが、店先に出ていた看板を見て気づきました。シャチだ。そういえば名古屋城の頂上にはシャチホコがいたような気がする。1匹か2匹か。
そもそも匹って数え方が合っているのかも分からないけど。
どうやらシャチ+チル(shachi + chill)で「シヤチル」らしい。
「チル」は英語の「chill out」(チルアウト)から由来した言葉で「くつろぐ」や「まったりする」「落ち着く」といった意味の俗語で、「チルってる」「チルしてる」「チルする」「チルる」といった表現があります。
引用:キーワードノート 「チル」とは? より
シャチ(名詞)+〜する(動詞)をあわせて「シヤチル」という説もあるという…。もしこの記事を読んでお店に行く方がいたら、店主さんに尋ねてみてください。
お店は2018年の5月にオープン。
グランド喫茶って名称を聞いて、昔から営業している喫茶店をイメージしていたので実際に店舗を訪れたらあまりのアーバンさに少し驚きました。
透き通る水色のクリームソーダ
クリームソーダと言えば、緑色のメロンソーダに丸いアイスクリームが乗っかっているのが王道ですが、シヤチルのクリームソーダは透き通る水色をしています。
座った席がちょうど良い光が差す場所で。言葉で形容し難い美しさでした。
そしてもう一つ、楽しみにしていたのがこのプリン…
おっと。
「さくらんぼ、見えたほうが良いでしょ」 ですって。良いアシスタントです。
硬めのプリンとほろ苦いカラメル。どことなく家庭の味を思い出させてくれます。むかし母が圧力鍋で作ってくれたような気もするし、誰かが作ったのをもらったような気もする。記憶って案外適当なんですかね、それなのになんで家庭の味って認識したんだろう。
ホットストロベリーパイ、バニラアイス乗せ。幸せを具現化したかのような組み合わせでした。
休日の午後、お店は混雑していました。平日にふらっと訪れられたらなあ。大学生の頃、当たり前のように考えてた時間の使い方は今思い返すととても贅沢だったんだなって気持ちで溢れています。
今回の写真はすべて Sonyα7ii + Voigtländer Nokton40mmF1.4MC の組み合わせで撮影しています。
Nokton 40mmF1.4は最短焦点距離が70cmと、テーブルフォトには少し使いづらい組み合わせ。しかし今回は座ったカウンターの奥行きがあったおかげで撮影することが出来ました。
少し暗い場所で、最高の描写をしてくれる。とてもお気に入りのレンズです。
お店情報
グランド喫茶 シヤチル|ぐらんどきっさ しやちる
名古屋市千種区今池1-5-9
営業時間:午前11:30~午後11:00(月-金)、午前07:30~午後11:00(土-日)
休み:第2・第4月曜日