実家に帰ってきた。
夢やぶれて、とかそういうのじゃなくて、親戚の集まりに参加した後にそのまま実家まで戻ってきたところ。
最近はひとりだったり、気の置けない友人とばかり旅をしたりしていたから、久しぶりに家族で旅行に出かけたらとても疲れてしまった。そもそもうちの家系は団体行動が苦手らしい。
善光寺へ行けば祖父は仲見世へ吸い込まれ、母は別のお寺にお参りに行ってしまう始末。気がつくと祖母は野沢菜片手にどこかから戻ってくる。
物事にスムーズさというものがない。それが実家というものだったろうか。
旅館に到着するやいなや荷物を置いて旅館街を散歩し、温泉に浸かったかと思えば夕食会場まで急いで移動、ご飯食べ終えたらもうひとっ風呂浴びようだなんて。旅館という場所は疲れを癒す場所であって、予定通りにスケジュールをこなす場所ではないのだ、と思いつつ「家族」というペースに振り回されていたら2日目の昼過ぎには疲れ果てて無口になってしまった。
私が無口になる時というのは、大概お腹が空いている時である。
なんで唐突にこんな文章を書こうなんて思ったのかというと、くどうれいん(@0inkud0)さんの新著を読んだのがきっかけ。この間新宿の紀伊國屋書店にふらふらと立ち寄った際に、買い忘れていたのを思い出した。
2017年、大学4年生の夏。学生最後の思い出に、と思って西日本を旅していた時(まだこの頃はバックパックではなく、キャリーケースを転がして旅をしていた)、奈良の郡山にあるとほんという書店で『私を空腹にしないほうがいい』を手に取ったのが れいんさんを知ったきっかけ。
あの頃はまだ西日本という場所が遠くであって、まさか暮らしを営むところになるなんて思いもしなかった。就職活動を終え、来年からは東京で暮らす。バリバリと働いて、どんどん昇進して、立派な社会人になるんだ。そんな幻想は正社員として働き始めて8ヶ月で消えることとなるとも知らず。
そもそもこのブログは私が過ごした日々の記録として書き始めたものだった。気づけばWordpressを立ち上げてから5年が経とうとしている。
それがいつしか周りの影響を受けて、何か有益な事を書かなければいけない…と勝手に気が重くなってブログから遠ざかってしまっていた。新しく買ったガジェットをレビューしよう、泊まったホテルの宿泊記を書こう…。もっと気楽に、撮った写真をあげつつ思った事を書けばいい。WEEKLY GRを書いていた時は自然に出来ていたことがいつしか出来なくなっていたみたい。
これから訪れる冬という季節は家から出るのが億劫になるもの。本を読む時間、そしてブログを書く時間を少しずつ取り戻していこうと考えながら、長野で買ってきたばかりのりんごを剥き、まな板から直接口へと運んだ。
藤井隆の新譜がよかった。特にアイリーンは突き抜けるように広がりがあって、よく聞いている。
こういう雑記は記事タイトルの付け方が難しい。30分くらい悩んだ。